
2026年夏、長野県・野沢温泉村で開催された「サンデーキッズスポーツパーク2026」。子どもたちがスポーツや遊びを通じて身体を動かし、さまざまな世代や地域の人々と交流した本イベントでは、バスケットボール、自転車、運動遊びなど、多彩な体験プログラムが展開されました。
グリーンアライアンスは、e-BIKEなどのモビリティ体験や、子どもたちがエネルギーについて楽しく学べる環境教育プログラムを実施しました。テーマは「スポーツ・自然環境、そして子どもたちの未来」。
会場ステージでは、野沢温泉村の上野雄大村長、グリーンアライアンスアンバサダーの田中幸さん、ハンファジャパンの李によるトークセッションが行われました。
難しいエネルギーの話を、子どもたちに楽しく伝える
今回、グリーンアライアンスブースでは、子どもたちを対象とした環境教育プログラムを実施しました。そのひとつが、オリジナル紙芝居『でんきちゃんのだいぼうけん』を使った読み聞かせです。
太陽光発電や蓄電池、電気の仕組みは、大人にとっても決して簡単なテーマではありません。だからこそ、子どもたちには難しい言葉を使わず、物語を通して伝えたい。エネルギーをより身近に感じてもらいたい。そんな思いから生まれたのが、この作品なのです。
物語を通して、「電気はどこから来るの?」「電気がなかったらどうなるの?」「太陽の光からどうやって電気が生まれるの?」といった疑問を楽しみながら考えてもらうことが狙いです。
読み聞かせは、上野村長や地元の高校生が担当してくださいました。子どもたちにとって、環境やエネルギーについて考える身近なきっかけとなったことでしょう。
さらに会場では、小さな太陽光パネルを使った「ソーラーエコハウス」づくりも実施。太陽光を受けて実際にミニソーラーパネルを充電し、風車が動く仕組みに触れながら、再生可能エネルギーを「見る」「触る」「つくる」体験をしてもらいました。
電動キックバイク体験で広がる、グリーンモビリティの可能性
また会場では、グリーンモビリティ体験として、国内初の電動キックバイク「First Rider」の試乗会も実施しました。
First Riderは、ペダルのないキックバイクに電動アシスト機能を搭載した乗り物で、子どもたちが楽しみながらモビリティに親しめるのが特徴です。今回はPileUpDesign合同会社のご協力のもと、特別に車両をご提供いただき、多くの子どもたちに試乗を体験してもらいました。
保護者の皆さまも見守る中、子どもたちは初めて触れる電動モビリティに興味津々。自分の力でバランスを取りながら走る楽しさと、電動アシストによる新しい移動体験を味わっていました。
グリーンアライアンスでは、再生可能エネルギーの普及だけでなく、環境負荷の少ない移動手段であるエコモビリティの普及に取り組む「グリーンモビリティ」活動も進めています。今回の体験会は、子どもたちが未来のモビリティに触れ、環境と移動の関係について考えるきっかけづくりになったのではないでしょうか。
自然豊かな野沢温泉村だからこそ、環境に配慮した移動手段の可能性はさらに広がります。スポーツや観光を楽しみながら、自然と共生する暮らしを考える。そんな未来へのヒントが、子どもたちの笑顔あふれる試乗体験の中にも見られました。
スポーツ——競技を超えて、人と地域を育てる力
イベントでは、野沢温泉村村長 上野雄大氏、グリーンアライアンス事務局代表 李泰基氏によるトークセッションも行われました(ファシリテーターはグリーンアライアンス アンバサダー田中幸氏)。
野沢温泉村には、地区ごとの強いコミュニティや長い歴史を持つ祭り文化があります。そこに約100年前から加わったのが、スキーというスポーツ文化です。
上野村長は、自身も幼少期からスキーを通して育ってきた経験を振り返りながら、野沢温泉スキークラブが大切にしてきた「スポーツを通した人づくり」について紹介しました。競技成績だけを求めるのではなく、スポーツを通じて心身を鍛え、人を育て、地域の発展につなげていく。その考え方は現在にも受け継がれています。
一方、気候変動によって雪を取り巻く環境が変化する中、冬のスキーだけでなく、自転車をはじめとした夏のスポーツにも新たな可能性が広がっています。村長は、「夏にもスポーツを通じて人が集まり、子どもたちの生きる力を育てられる地域にしていきたい」と語りました。
その思いを体現するイベントこそ、グリーンアライアンスが3年にわたりメインスポンサーを務める「野沢温泉自転車祭」です。コロナ禍をきっかけに、スキー選手の活動を応援し夏の野沢温泉を盛り上げようと始まったこのイベントは、今ではスキークラブ、村、観光関係者、地域の企業など多くの人が関わる場へと成長しました。自転車を通して自然に触れ、温泉や食を楽しみ、人と出会う。100年前にスキー文化が根付いたように、新しい自転車文化を未来へつないでいくことが、その目標です。
自然とエネルギー——敬意から生まれる、地域循環の未来
野沢温泉の暮らしや観光は、雪、山、森、水、温泉といった自然の恵みと切り離せません。その自然を未来へ残すために大切なこととして、上野村長が挙げたのが「自然への敬意」でした。自然は人間がすべてをコントロールできるものではない。だからこそ、その大きな力に敬意を払いながら、自分たちにできることを積み重ねていく必要があります。
野沢温泉村では早くからエネルギービジョンを策定し、水力発電をはじめ、地域資源を活用した再生可能エネルギーの可能性を検討してきました。現在も、雪国ならではの環境に適した太陽光発電など、新しい取り組みに向けた検討が続いています。
村長が描く野沢温泉村の将来像は、水、太陽、雪国ならではの環境など地域にあるさまざまな資源を組み合わせ、地域で使うエネルギーをできるだけ地域の中で生み出す、「地域の中ですべてが循環する村」です。
こうした話を受け、グリーンアライアンスの李氏は、野沢温泉との関わりについてこう振り返ります。
「最初は仕事を通じた出会いでしたが、訪れるたびにこの村が好きになりました。地域の皆さんと関わりながら、豊かな自然や暮らしを次の世代につないでいく。そのために企業として何ができるのかを考えるようになりました」。
地球環境の問題は、一人や一社だけで解決できるものではない。だからこそ地域の皆さんやパートナーと一緒に取り組むことが大切だと、李氏は続けます。企業が地域を一方的に支援するのではなく、地域を知り、人と出会い、地域を好きになる。「応援する関係」から「一緒に未来をつくる関係」へ。野沢温泉との3年間は、グリーンアライアンスにとっても地域との新しい関わり方を考える時間となっています。李氏は今後、地域活性化起業人として、野沢温泉村のエネルギー分野の取り組みにも携わっていく予定です。
トークセッションの最後には、10年後、20年後の野沢温泉について語られました。そこで上野村長から紹介されたのは、「変わらない野沢温泉であってほしい」という地域の子どもたちから聞こえてきた声でした。
新しいものを増やし続けることだけが地域の発展ではない。豊かな自然、温泉、雪、地域の文化、人と人とのつながり。今ここにある価値を守り続けることの意味を、村長は語りました。
グリーンアライアンスが大切にしているのは、ひとつの企業だけで環境問題に取り組むことではありません。企業、地域、パートナー、そしてそこに暮らす人たち。一人ひとりが仲間となり、力を合わせることによって、より大きな変化につなげていくことを、グリーンアライアンスは目指しています。
執筆
グリーンアライアンス事務局
MAGAZINEは、ハンファジャパン株式会社が主宰するSDGsパートナーシップ制度「Green Alliance」の活動報告コンテンツです。パートナー企業とともに取り組むGreen Actionの活動を、現場での取材をもとにお届けしています。
►運営者情報・編集方針