2026.10.27 活動内容

Happy Solar Life プロスノーボーダー 田中幸さんの日当たりのいい生活 ―第4回 好きな自然と、これからも。共に楽しむ時間を未来へつなぐ~1年の集大成、野沢温泉自転車祭に出場

年間を通じて、田中幸さんの活動と「自然と共にある暮らし」を追いかけてきた本連載も、季節をひと回り。雪山から始まり、春には佐久での日常を訪ね、夏には八ヶ岳の山へ。そして今回の舞台は、秋の野沢温泉村です。

10月初旬に開催された「野沢温泉自転車祭2026」に、グリーンアライアンスのアンバサダーとして参加した幸さん。彼女の挑戦と、イベントの様子をお届けします。

何度も通って見えてきた、野沢温泉村の魅力

国内外から多くのスキーヤーやスノーボーダーが訪れる、長野県の野沢温泉村。豊かな雪と温泉で知られるこの村には、春から秋にかけてもまた違った魅力があります。

幸さん自身にとっても、以前からスノーボードで訪れてきた馴染み深い場所ですが、最近では、グリーンシーズンのイベントや地域の活動を通じて、冬とは異なる村の姿に触れる機会が増えています。

幸さんの写真
※情緒あふれる温泉街には、モダンな飲食店やショップが加わり、新たなにぎわいを見せている

そのひとつが、今年で6回目を迎えた「野沢温泉自転車祭」。子どもから大人まで、村の自然やスポーツを楽しめる催しです。グリーンアライアンスでは、エコフレンドリーなモビリティを広める「グリーンアクション」の一環として、一昨年からこの自転車祭のメインスポンサーを務めており、アンバサダーである幸さんも、大会への参加だけでなく、事前に行われた村の子どもたちを対象とした学習イベントなどで、何度か野沢を訪れてきました。

エコロジカルなe-Bikeが相棒!

実は幸さんは、昨年も一般参加者として、ロードバイクでこの大会に出場していました。2度目の参加となる今回は、グリーンアライアンスから貸与されているスペシャライズドのe-Bike「VADO SL 4.0」を相棒に、競技に臨みます。

e-Bike「VADO SL 4.0」と幸さんの写真
※「Pedal the Planet Forward(ペダルを回して地球を前に進めよう)」を掲げ、健康や社会・環境課題の改善を目指すスペシャライズド社。「VADO SL 4.0」は、一般的なe-Bikeより約40%軽量で、一度の充電で最長130kmの走行が可能

これまでの連載でも紹介したとおり、幸さんは自宅の太陽光発電システムで作った電気でこのe-Bikeに充電をしながら、練習をしてきました。登山ガイドの仕事やニュージーランドへのツアーなど、忙しい日々の合間を縫いながら、早朝5時半からのトレーニングを重ね、少しずつ乗り方やペース配分のコツもつかんできたといいます。さて、本番となる今日、そんなエコなモビリティと幸さんの飛び切りのパフォーマンスを見ることができるでしょうか。

いざ本番。早朝練習の成果は?

当日は全国各地から参加者が集まり、会場は朝から活気に包まれます。幸さんが出場するのは、標高差800m、距離13kmの坂道を駆け上がる「ヒルクライム」です。

グリーンアライアンスのパートナー企業からも多くのメンバーが参加し、それぞれの目標を胸にスタートラインへと向かいます。

グリーンアライアンスのユニフォームとグリーンアライアンスチームの写真
※おそろいのユニフォームで一体感を見せるグリーンアライアンスチーム。顔なじみのメンバー同士の会話に、スタート前の緊張も和らぐ

幸さんは、昨年の経験もあるせいか、最初からリラックスしている様子です。スタート前には、他の参加者と一緒に、それぞれの作戦などを楽しそうにおしゃべりする余裕も。意気込みを聞くと一言、

「優勝を目指します!」

頼もしい限りです。そして、当初は40分台での入賞を目指していた幸さんですが、会場の熱気や高揚感もあってか、いつの間にか目標は「40分を切っての優勝」に!

e-Bikeレース走行中の幸さん
※バイクには発信用のカメラも装着。アンバサダーとして、走行中の臨場感も届けてくれる

そして、いよいよスタート。直後は集団で走っていた参加者も、坂道が続くにつれて徐々に間隔が開き、それぞれのペースで山頂を目指します。

e-Bikeレースの写真

途中には、野沢温泉村を見渡せるポイントも。普段なら車で通り過ぎてしまう景色も、自転車なら風を感じながら、風景と一体になるような体験を楽しめます。

e-Bikeレースの写真
※眼下に広がる村の風景からも、標高が高くなってきたことを実感

上り坂が続く13kmの長い道のり。ひと漕ぎずつ、自分の力と電気の力を合わせて前へ進みます。とくに後半は、急な坂道となり、多くの出場者が苦戦します。幸さんも昨年はここが一番大変だったとのこと。e-Bikeとはいえ、もちろん自分の脚力が原動力で、立ち漕ぎも必須の難所です。容赦なく続く上りで、電気のアシスト力をいかにうまく使い分けるか、練習の成果が試されます。

そして、ついにゴール! 笑顔でフィニッシュした幸さんには、まだ余力が残っていそうな様子。直後に駆け寄ると、開口一番、「爽快!」。力を振り絞ったラストスパートからゴールまでの様子は、走行動画でもぜひチェックを!

e-Bikeレース中の幸さんと他のランナー
※スピードを緩めることなく、まだまだ通過点かのようにゴールを走り抜ける幸さん(写真上)。標高が上がるにつれ、参加者のテンションも高まる(同左下)。緑の中へ向かう最後の直線は、グリーンな未来を目指すグリーンアライアンスの活動を象徴するかのよう(同右下)

タイムは昨年のほぼ半分となる38分35秒。e-Bike部門(女子)で1位。見事、有言実行の優勝を果たしました。

幸さんの写真
※木製のメダルを手に、笑顔を見せる幸さん

落ち着いたところで、改めて話を聞いてみました。

「練習してきたことを信じて走り切りました。今年はe-Bikeだからと自信を持ってスタートできて、足の回転をとにかく止めないことを意識。最後の1kmは最大のパワーで、声も出しながら全力で走りました」

幸さん自身の努力はもちろん、電動アシストの力も大きな後押しになったようです。

「急な坂道ほど電気の力を感じましたし、体感ではコースも短く感じました。去年苦しかった場面でも『あれ?』と。自分自身もだいぶ成長したように思います。沿道の応援に応える余裕もありました」

途中、バッテリー残量の表示が減っていくのを見て、一瞬不安になったそうですが、ヒルクライムを余裕で2回挑戦できるくらいのスペックだと知っていたこともあり、安心して走り続けられたといいます。

ゴール後の幸さん、他メンバー、新米のおにぎり等をふるまう地元民たちの写真
※ゴール後には、地元の人々がふるまってくれる新米のおにぎりやなめこ汁などでエネルギーチャージ(写真上)。通常のロードバイクで挑んだストイックなメンバーの健闘を労う(同右下)

早くも「来年もe-Bikeで出たい」と話す幸さん。

「お祭りみたいで楽しいし、ゴール後にリラックスした雰囲気や、参加者同士で共有する達成感、開放感、つながりは、参加してこそ感じられるもの。この大会のことを、もっと多くの人に知っていただき、より多くの人に楽しんでもらいたいと思いました」

と、参加を呼びかけます。

表彰式の写真
※イベントの最後に行われた表彰式の様子

自転車がつなぐ、人と地域の輪

「野沢温泉自転車祭」の楽しみは、競技に参加することだけではありません。

グリーンアライアンスのブースでは、太陽光発電に関する展示や、電動キックバイクの試乗体験などが行われ、多くの来場者でにぎわいました。村内のいろいろな場所を巡るスタンプラリーでは、地域の人と会話を交わすきっかけにも。大会を通じて、野沢温泉村の新たな魅力を発見できる仕掛けです。

写真
※アンバサダーとして、グリーンアライアンスブースを紹介する幸さん(写真左)。豪華景品が用意されたじゃんけん大会でも活躍(同右)

さらに今年は、特別企画として「幸さんをさがせ!」も実施されました。アンバサダーのたすきをかけた幸さんを見つけ、一緒に写真を撮ってSNSに投稿すると、抽選で電動キックバイクなどが当たるというもの。

自然体で、その場を誰よりも楽しむ幸さんの人柄に引き寄せられるように、彼女の周りには多くの人が集まっていました。

幸さんと交流する人々
※スノーボード仲間や地元のファミリー、海外から訪れた人々との思いがけない出会いなど、多彩な交流が生まれました

訪れる人と暮らす人、スポーツを楽しむ人と環境やエネルギーに関わる企業。立場の異なる人々が体験を共有し、新たなつながりを生むことも、このイベントの魅力です。幸さんにとっても、競技への挑戦だけでなく、地域の人々やパートナー企業との交流を深める機会となりました。

駆け抜けた1年。共に広げるグリーンなサイクル

グリーンアライアンスのアンバサダーとして様々なグリーンアクションに参加してきた幸さん。雪山、農業、そして新たに自転車の世界も開かれ、また同時にクリーンエネルギーについて考え、グリーンアライアンスのメンバーと共にその促進に積極的に加わっていくという、実り多い1年を体験しました。

あらためて、その活動を振り返ってもらいました。

「アンバサダーとして、伝えることを意識するようになり、自然の変化にも以前より敏感になりました。また、何気なく使っていた電気をはじめ、日々の当たり前を見直すことで、暮らしの豊かさを再認識するきっかけにも。たとえば10年後の景色を思い描いたとき、“今のまま”というのは贅沢なことかもしれません。この先も自然豊かな暮らしを続けていくために、今すぐ動かないといけないなと思っています」

一人ひとりが身の回りを見つめなおし、具体的にポジティブなアクションを起こすことも大事といいます。

「みんな同じ条件ではなくても、自分が生活するフィールドや土地の魅力を知って、その環境を大切にしながら工夫して楽しむ。そんな風にできたら、人生はもっと豊かになるのでは」

グリーンアライアンスで活動する中から得た気づきは大きいようです。また、チームで動くことで、一人ではできないことができる面白さも実感したとのこと。

「そんな中、スポーツを通じて伝えていくことがグリーンアライアンスチームでの私の役割だと思うので、これからも自分らしく活動を続けていきます」

未来へと広がっていくグリーンアクション。幸さんとグリーンアライアンスの挑戦は、まだまだ続いていきそうです。

ゴールの前にいるグリーンアライアンスチームのメンバーたち

プロフィール

田中幸(たなか さち)
プロスノーボーダー、自然ガイド、ラジオパーソナリティ

1981年、滋賀県湖南市出身。高校時代からボート競技を始め、銀行に就職後は実業団でも活躍。25歳の時プロスノーボーダーとなり、さまざまな大会に出場。多くのDVD作品の出演やプロデュースを手掛けるほか、ツアーやイベントの企画など、国内外の雪山を拠点に活動。長年雪山に向き合い、オリンピック・スノーボード競技解説者も務めるなど第一線で活動する中で、気候変動による積雪量の変化や自然環境への影響を肌で実感。信州登山案内人(長野県認定ガイド)として自然と共生する暮らしを実践し、ラジオパーソナリティやSNSを通じて環境や地域の未来について発信を続けている。
Instagramアカウント:@sachitanaka

Photo:Ota Takanori / nozawa_cycle DAIGO / Cast Inc.

執筆 
グリーンアライアンス事務局

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