SDGsの達成を目指して立ち上げた「グリーンアライアンス」。そのパートナー企業それぞれの活動や地元に対する思いなどをご紹介します。
第1回目は、北海道札幌市の株式会社エコテックジャパン。代表取締役の行方氏がe-Bikeで愛する札幌を案内する特別企画付きです!
<目次>
01. 北海道伝統の開拓者精神で太陽光発電の普及にまい進! 株式会社エコテックジャパン
02. [特別企画]株式会社エコテックジャパン 行方氏がe-Bikeで案内する、開拓者精神が息づく札幌
クリーンエネルギーのある未来が見えた洞爺湖サミット
株式会社エコテックジャパンは、2009年に太陽光発電システムの販売・施工会社として設立。これまで、グループ全体で6000棟以上と、北海道でもトップクラスの施工実績を誇ります。
代表取締役の行方氏は、以前は、お父様が経営する一般電気工事の会社で職人として修業を積んできました。太陽光発電に注目したきっかけは、2008年に開催された洞爺湖サミットでした。
「このサミットのテーマのひとつに環境問題があり、それに合わせるように、洞爺湖の周辺施設にたくさんの太陽光発電システムが導入されました。
新聞でその記事を読み “これだ!” と。これからはクリーンエネルギーが求められる、太陽光の可能性ははかり知れない、とワクワクしてしまいまして」
この15日後、行方氏は太陽光発電システムの国産メーカーを訪れ、施工IDを取得。
そして太陽光発電専門の現在の会社を設立しました。
株式会社エコテックジャパン 代表取締役 行方匡胤(なみかた ただつぐ)氏。1978年、札幌市出身
震災の経験を通して、太陽光発電と蓄電池の重要性を確信
太陽光発電の必要性については、度重なる震災の経験を通して、改めて確信したといいます。
「2011年、東日本の震災の後、JC(青年会議所)の一員として、岩手県に炊き出しに行きました。避難所の外に太陽光パネルが設置され、コンセントが使えるようになっており、そこに大勢の人が並んで携帯に充電をしていた。その光景は衝撃的でした。また2018年の北海道胆振東部地震では被災者の立場でした。1週間ほど停電したのですが、我が家には太陽光発電システムがあったため、調理ができた。そこで家の前でカレーの炊き出しをしたら、700人くらい集まりました。ライフラインが止まる恐ろしさと、電気の重要性、太陽光発電のありがたさを身をもって実感した出来事でした」
この際、夜にも電気が使える蓄電池の必要性も認識。以来、エコテックジャパンでは、太陽光発電システムと蓄電池のセット導入を積極的に提案してきました。
「自分たちが体験したことを会社のスローガンにしてお伝えしています。それは、“電気が貯まれば安心も貯まる” そして “いつもの安心、もしもの安心” というふたつ。太陽光発電と蓄電池があれば、たとえ災害時でも、夜、真っ暗闇の中で懐中電灯だけで生活しなくて済む。そんな “安心” な生活をさらに普及させたいと、頑張っています」
「電気が貯まれば安心も貯まる」をスローガンに
行方氏は、「電気というのは、住宅にとっての血液のようなもの」といいます。家の中に電線を血管のよう張り巡らせ、全体が機能するように循環させていくべき、という考え方です。
「太陽光発電の専門会社ですが、基本は電気工事の会社です。現場スタッフは、家全体の電気を理解し、工事ができます。太陽光だけでは家は輝かない。家丸ごとのバランスが必要なんです。
そこまで配慮した仕事ができるのも、弊社の強みだと思っています」
若いスタッフを積極的に採用。彼らの将来のためにも、住宅全体の電気工事ができることは必須と考える
0から1を生み出す心意気で、これからの循環型社会に貢献したい
北海道は、冬の積雪も多く、太陽光発電が難しい季節もあります。それでも将来に向けての可能性はとても大きいと、行方氏。
「Qセルズが開発した耐雪用の掴み金具(Q. ROBUST)や、さらには壁面設置用架台など、豪雪地帯向けの製品も登場しています。弊社でもこれら最新の技術を積極的に取り入れて、お客様のニーズに応えていきたい」
行方氏の熱意の根底には道産子ならではの特別なスピリットがあります。
「かつて『北海道開拓の父』と呼ばれた島義勇(よしたけ)は、何もない原野に世界一の都を作ると夢を見て、札幌という都市づくりを実現しました。札幌生まれの私には、そんな0から1を生み出す開拓者精神が染み込んでいると自負しています。この地で太陽光を、蓄電池をもっと普及させたい、それにかける思いは、島義勇の情熱に通じるものがあるかもしれない。太陽光発電を利用してこれからの循環型社会を作り上げる、その一端を弊社が担っていきたい、そこがわれわれの情熱の目標地点です」
次の世代にもこの開拓者精神、チャレンジする心を伝えていきたい
グリーンアライアンスの一員として、仲間とともに大きなゴールを目指す
弊社がグリーンアライアンスに参加した大きな理由は、その実現力と発信力に期待したからです。弊社でも、SDGsに向けてささやかなころみは行っています。私やスタッフの自宅で太陽光発電を活用したり、営業車として3台のEVを利用したりといったことです。けれど、1社が単独でできることは限られています。何かもっとできないか、と思ったとき、グリーンアライアンスが発足したのです。ハンファジャパンが主体となり、全国の仲間と一緒に大きなゴールを目指すことができる。みんなで取り組むから、目標の実現が可能と思えるし、組織として様々な発信を行えることにも期待しています。
特に、「グリーンギフト」の活動には関心をもっています。児童施設などに太陽光発電システムを寄付することで、子供たちがそれを実際に見て、体験を通してクリーンエネルギーを学ぶことができる。素晴らしいことだと思います。ただ贈るだけに終わらず、設置後も何か伝えていくことができるかが課題。今後どう寄与してくかも考えていきたいと思います」(行方氏)
[特別企画]株式会社エコテックジャパン 行方氏がe-Bikeで案内する、開拓者精神が息づく札幌
グリーンアライアンスの3つのアクションのひとつ「エコフレンドリーなモビリティと連携した社会貢献活動」でも推進しているe-Bike。この快適な自転車を使い、行方氏がグリーンアライアンス事務局代表の李氏に札幌を案内しました。
札幌の街づくりの背景にあるスピリットを誇りに思う
行方氏は、李氏を案内しながら、0から1を生み出す精神が息づくのが、札幌の魅力だと説明しました。
「明治2年(1869年)、新政府より北海道の開拓を命じられたのは、初代開拓判官の島義勇という人物です。彼はコタンベツの丘といわれる場所から、眼下に広がる無人の原野を眺め、ここに『五州一(世界一)の都を造る』と壮大な計画を立てたと伝えられています。
これが札幌の始まりです。結果、ほんの150年ほどで、200万人都市が完成しました。
未来に想いを馳せた一人の志から始まり、その情熱が周りの人を動かし、共感の輪が広がり、当初の志がやがて『開拓者精神』としてこの地に宿ったのだと思います。
そしてそのスピリットが親から子へと脈々と引き継がれながら発展を遂げてきた、ここはそんな街です」
行方氏が案内するのは、北海道の開拓者精神を語る上で外すことのできない2か所です。
e-Bikeで札幌のとっておきの場所へと案内する行方氏(右)と、グリーンアライアンス事務局代表の李泰基氏(ハンファジャパン株式会社 エナジーソリューション事業部 執行役員 事業部長)
島義勇が眺めて街づくりを構想した原野は、約150年で200万人都市に
【おすすめスポット1 大倉山ジャンプ競技場】
島義勇が街づくりを思い描いたというコタンベツの丘、その正確な場所は特定されていませんが、それとほぼ同じように風景を眺められるのがここです。島は何もない大地を一望し、京都と同じような碁盤の目状の区画を構想したといわれています。もちろん、現在眼下に広がるのは、200万人が暮らす大都市。夢のような構想が実現した姿を、目の当たりにすることができます。
1979年の冬季オリンピックのジャンプ競技会場となったこの施設は、現在も現役のジャンプ台として一年を通じて活用されています。麓からはリフトでジャンプ台上部までアクセス可能。札幌オリンピックミュージアムや展望ラウンジなども併設されています。
https://okurayama-jump.jp/
麓のリフト乗り場までの坂道をe-Bikeで。ジャンプ台上部へはリフトを利用。島義勇の開拓者精神に想いを馳せ、札幌を一望。李氏も札幌街づくりの背景に改めて感動した様子
【おすすめスポット2 大通り公園】
札幌の都市開発の象徴ともいえるのがここ。明治4年(1871年)、街の北側の官庁街と、南側の住宅街を分ける防火線として建設されました。これが、島義勇が思い描いた碁盤の目状の街の南北の中心線にもなっています。
早い時期より多目的に利用され、第2次世界大戦時には畑に変身したことも。
現在は、全長約1.5km、13ブロックにわたって続く都市公園として、市民をはじめ、世界からの旅行者が集う憩いの場に。「さっぽろ雪まつり」をはじめ様々なイベントも開催され、一年を通じては華やかに盛り上がる札幌の顔となっています。
公園内はいくつかのテーマで分けられており、西10丁目から11丁目のテーマは「フロンティア」。北海道の開拓を記念した像などが設置された歴史・文化ゾーンとなっています。
https://odori-park.jp/
公園内では自転車を引いて散策。一休みしたりするのに最高の場所
e-Bikeは感動的。見慣れた風景も新鮮に
普段はクルマしか使っていない私ですが、今回初めてe-Bikeに乗って街案内をしてみました。思った以上に乗りやすくて面白かったですね。大倉山の坂道を上るのかと、最初はとうんざりしていたのですが、全く問題なく、座ったままスイスイ登れたのには感動しました。またゆっくりと自力で進むことで、見慣れた街の違った表情も見られて新鮮でしたね。すでに札幌にはe-Bikeのシェアバイクも登場しています。この充電に太陽光発電で作った電気を活用できるようになったら、より素晴らしいと思います(行方氏)。
Photo: Tsutomu Nakata、株式会社エコテックジャパン