
再生可能エネルギーを通じて持続可能な社会づくりに貢献することをめざすグリーンアライアンスでは、その活動の一環として、日本の様々な地域に太陽光発電システムを寄贈する「グリーンギフト」プロジェクトを実施しています。2026年3月、栃木県益子町にある「認定こども園たから幼稚園」に、このグリーンギフトが実施されました。
焼き物の町の歴史ある幼稚園にクリーンエネルギーを
たから幼稚園は、1978年に開園し、今年で48年目を迎える歴史ある児童施設です。2015年には「幼保連携型認定こども園」の認定を受け、現在0歳児から就学前の子どもたち83名が通園。スローガンは「大きくはばたけ!たからの子!!」。仏教精神にもとづき、子どもたちの清く美しい心と、自らやる気をもって取り組む主体性を大切にした保育・教育を行っています。
益子焼の里として知られるこの地の幼稚園らしく、価値ある陶器を使ってお茶を楽しむ「ひな茶会」を行ったり、子どもたちが陶芸作品を作ったりと、地元の豊かな伝統に触れるプログラムも実施しています。

写真右下:年少組から陶芸作品作りに挑戦。年長組は仏様を作って開眼式も行われる
2025年10月、グリーンアライアンスにより、この園舎の屋根にQセルズの太陽電池モジュール30枚(発電容量:12.3kW、年間約5.5tのCO2削減効果)のシステムが寄贈・設置されました。この園では、18年前からすでに14kWの太陽光発電システムを導入しており、また今後、別団体から蓄電池の寄贈も予定されているとのこと。今回の寄贈により、園内で電気を作って貯めて使う、というエコサイクルが強化され、クリーンエネルギーのさらなる活用が可能になりそうです。

元気な子どもたちとともに、和やかな寄贈式
グリーンギフト寄贈式は、2026年3月2日、たから幼稚園にて、園長の馬場章信氏をはじめ、園スタッフの皆さん、益子町 生活環境部 福祉子育て課 課長 村上貴子氏、そしてグリーンアライアンス関係者列席のもと行われました。ウッドフロアの遊戯室に出席者が着席すると、ここに、年少組から年長組まで、約40人の園児たちが賑やかに入場。式典は、子どもたちによる歓迎の歌からスタートしました。披露されたのは、園歌「おおきくなるよ」、そして園マーチ「なかよしこんにちは」の2曲。元気いっぱいの歌声に、参加者も思わず笑顔になります。


その後、子どもたちも座って式典に参加。いつになく柔らかな雰囲気の贈呈式となりました。
最初に登壇したのは、グリーンアライアンスのパートナー企業 鈴与マタイ株式会社 専務取締役 片岡裕喜氏です。長野県より駆け付け、グリーンアライアンスを代表して挨拶。目の前の子どもたちに太陽光発電について少しでも伝わるよう、大きな声でやさしく、次のように話しました。
「皆さんの幼稚園の屋根の上に、太陽の光で電気を作る機械を取り付けました。この機械があれば、停電の時でも電気がつきます。そして地球によくないガスもでません。この地球にやさしい電気を大事に使って、環境にやさしい大人になってください。そういう思いでこの機械をプレゼントしました」
この分かりやすい話に子どもたちは心をつかまれた様子で、一心に耳を傾けていました。


次に、同じくグリーンアライアンスのパートナーである株式会社レクソル 代表取締役 西河常仁氏も挨拶。同社は、今回の「グリーンギフト」の推進役であり、主体となって設置を進めてきた企業です。
西河氏は、「弊社は少し遠い千葉県にある会社ですが、20年前、私自身が益子焼の陶器市に興味をもってこの地を訪れました。以来、ここの自然と文化に感銘を受け、毎年春と秋の陶器市に来ています。そんな中、こちらの園長さんと知り合うご縁があり、『グリーンギフト』についてご紹介し、寄贈させていただく流れとなりました。太陽光発電システムを設置したことで、子どもたちにはその良さを知って大人になっていただきたい。またお父さんやお母さん、園のスタッフの方にもそのメリットを理解していただきたい。自然エネルギーを活かして電気を作ることが、やがて益子町のまちづくりにもつながっていけばと願っています」と、プロジェクトの背景と、そこにかける思いを語りました。
続いて、グリーンアライアンス事務局 代表 李泰基氏から寄贈銘板が、また株式会社レクソルの西河氏より環境教育教材「でんきちゃんのだいぼうけん」が、たから幼稚園に贈呈されました。「でんきちゃんのだいぼうけん」は、太陽光発電や蓄電池の働きを紙芝居式にやさしく紹介するグリーンアライアンス制作のリーフレット。「グリーンギフト」を契機に、環境教育の推進を行うことを目的に制作したもので、素材には青森のねぶた祭で使用された紙を一部再利用しています。

「皆さんには、お父さん、お母さんと一緒に太陽光パネルや電気のしくみを勉強していただき、太陽光パネルを大事に役立てていただければと思います」(李氏)


そして、来賓として参加した益子町 生活環境部 福祉子育て課 課長 村上貴子氏が登壇。同部の部長 永嶋祐子氏から贈られたコメントを発表しました。
「益子町では、2025年、脱炭素社会実現に向けて、益子町気候変動対策推進計画『ましこカーボンニュートラルプラン』を策定、さらに町民や事業者と一体となって豊かな自然と環境を未来に引き継ぐべく、『ゼロカーボンシティ宣言』を表明しました。今回寄贈いただいた太陽光発電設備により、子どもたちが太陽の光から電気が作られる様子を身近に感じ、自然の大切さやエネルギーを無駄にしない心を育むきっかけとなるものと期待しております」(村上氏代読)

今回の贈呈を受け、馬場園長からグリーンアライアンス関係各社に感謝状が贈られました。そして最後に馬場園長は、子どもたちに向けて次のように呼びかけました。
「今回プレゼントされた太陽光発電の機械は、環境を汚さずに電気を作ってくれる、とてもいい設備です。今日、皆さんが聞いたお話や、いただいた絵本でしっかり太陽光発電のことを知り、電気を大事に使い、自然を大切にする大人になってください。今、地球はちょっと疲れ気味で、病気になりかかっています。環境について学び、世界中の人たちがいつまでも幸せに生きられるように、みんなで地球の健康を取り戻していきましょう」
こうして、子どもたちにSDGsへの意識を伝えるきっかけともなった今回のグリーンギフト贈呈式。グリーンアライアンスでは、「今後も、各地域特有の自然環境や社会文化を大切にしながら、再生可能エネルギーが日々の生活や教育活動の基盤となるよう様々な活動を推進していきたい」としています。

絵本作家 いわむらかずお氏による園歌と壁画
寄贈式で子どもたちが歌った園歌「おおきくなるよ」は、1983年に開園5周年記念として作られ、以来40年以上、園の子どもたちによって歌い継がれてきた曲です。作詞を担当したのは、絵本にっぽん賞をはじめ数々の受賞歴をもつ絵本作家の故いわむらかずお氏。1975年に益子町に移住し、自然豊かなくらしの中から多くの作品を生み出してきました。歌は園庭から見える大きなケヤキを子どもたちの未来に重ねたもの。園内には、その園歌をモチーフにしたモザイク壁画もあり、これも同氏の作品です。

Photo:太陽光生活研究所