2026.10.06 環境問題

SDGsと環境問題の関係とは?環境に関わる7つの目標を対応表・事例でわかりやすく解説

SDGs(持続可能な開発目標)と聞くと「環境問題への取り組み」というイメージを持つ人は多いものの、17ある目標のうちどれが環境問題に関係しているのか、具体的に説明できる人は少ないのではないでしょうか。実はSDGsは環境分野だけでなく貧困や教育、経済成長なども含む幅広い国際目標であり、環境問題はその中の一部を占めています。この記事では、SDGsと環境問題の関係性を整理したうえで、環境に関わる目標を対応表でわかりやすく解説し、日本での事例や私たちの暮らしとのつながりまで紹介します。

【この記事でわかること】

  • ・SDGsと環境問題の関係性・位置づけ
  • ・環境問題に関わるSDGsの目標一覧(対応表)
  • ・世界と日本におけるSDGs×環境問題の取り組み事例
  • ・個人・企業が今日から実践できるアクション

第1章 SDGsとは?基本をおさらい

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「SDGs」(持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで全会一致により採択された、2030年を期限とする国際目標です(※)。「誰一人取り残さない」という理念のもと、貧困・教育・ジェンダー・環境・平和など幅広い分野をカバーする17の目標、その下に169のターゲット、234のユニークな指標が定められています(2026年9月時点)。

前身である「ミレニアム開発目標」(MDGs)が主に発展途上国向けの目標だったのに対し、SDGsは先進国を含むすべての国が主体的に取り組むべき目標として位置づけられている点が大きな特徴です。

※出典:United Nations Statistics Division(UNSD)「SDG Indicators」

第2章 SDGsと環境問題はどう関係している?

SDGsは、経済・社会・環境という3つの側面を総合的に捉えた目標です。そのなかでも環境問題は、SDGsを達成するうえで重要なテーマの一つです。

各府省庁の施策は、それぞれの所管分野に関連するSDGsの目標と結びついています。たとえば、環境省の施策には、目標13「気候変動に具体的な対策を」に関係するものがあります(※)。

一方で、SDGsでは、一つの目標だけを達成するだけでなく、複数の目標を関連づけながら取り組むことが重要とされています。

そのため、環境問題への取り組みは、気候変動対策(目標13)だけにとどまりません。再生可能エネルギーなどのエネルギー問題(目標7)、海洋・陸上の生態系の保全(目標14・15)、水や衛生に関する課題(目標6)、持続可能なまちづくり(目標11)、持続可能な生産と消費(目標12)など、さまざまな目標と密接に関わっています。

※出典:環境省「環境省事業へのSDGsの組込みパイロット・プログラムについて」

第3章 環境に関わるSDGsの目標一覧【対応表】

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外務省仮訳をもとに、環境問題に関わりの深い目標を整理すると、以下のようになります(※)。

SDGsの目標 環境との関わり 主な環境課題
目標6
安全な水とトイレを世界中に
水資源を持続可能に利用し、水質を守る 水不足、水質汚染、衛生問題
目標7
エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
再生可能エネルギーの普及や省エネルギーを進める 温室効果ガス、化石燃料への依存
目標11
住み続けられるまちづくりを
環境に配慮した都市・交通・インフラを整備する 都市の環境負荷、大気汚染、廃棄物、防災
目標12
つくる責任 つかう責任
資源を効率的に利用し、廃棄物を減らす 食品ロス、資源の大量消費、廃棄物
目標13
気候変動に具体的な対策を
気候変動の緩和・適応を進める 地球温暖化、異常気象、気候変動
目標14
海の豊かさを守ろう
海洋・海洋資源を保全し、持続可能に利用する 海洋プラスチック、海洋汚染、海洋酸性化
目標15
陸の豊かさも守ろう
森林・陸上生態系・生物多様性を保全する 森林破壊、砂漠化、土地劣化、生物多様性の損失

3-1 エネルギー・気候変動に関わる目標(目標7・13)

エネルギーと気候変動対策に関わる目標群です。

気候変動は「環境問題」と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるテーマですが、その根本原因をたどると、化石燃料に依存したエネルギー利用に行き着きます。だからこそSDGsでも、エネルギーの目標(目標7)と気候変動対策の目標(目標13)は切り離せない関係にあります。再生可能エネルギーの普及や脱炭素化は、この2つの目標に同時に貢献する取り組みといえます。

  • 目標7:すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
  • 目標13:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

3-2 海洋・陸上の環境に関わる目標(目標14・15)

生態系や自然資源の保全をテーマにした2つの目標です。

目標14は海洋プラスチックごみや海洋酸性化といった「海」の問題を、目標15は森林破壊や砂漠化、生物多様性の損失といった「陸」の問題をそれぞれカバーしています。どちらも一度失われると回復に長い時間がかかる分野であるため、予防的な取り組みの重要性が強調されています。

  • 目標14:持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
  • 目標15:陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

3-3 水・衛生、まちづくりに関わる目標(目標6・11・12)

暮らしの基盤であるインフラや消費のあり方に関わる目標群です。

目標6は安全な水と衛生環境の確保、目標11は防災力や快適性を備えた持続可能な都市づくり、目標12は大量生産・大量消費・大量廃棄からの脱却をそれぞれ目指しています。一見バラバラに見える3つですが、いずれも「限りある資源をどう使い、どう循環させるか」という共通の問いにつながっています。

  • 目標6:すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
  • 目標11:包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する(※)
  • 目標12:持続可能な生産消費形態を確保する

こう見ると、環境問題は、SDGsの17の目標のうち特に7つの目標と深く関わっていることがわかります。

※出典:外務省「持続可能な開発目標(SDGs)について」

第4章 世界の現状——SDGsの視点で見る環境問題

では、SDGsが対象とする環境問題は、具体的にどのような課題として現れているのでしょうか。

気候変動や生物多様性の損失、海洋プラスチックごみ問題など、世界各地で起きている環境問題の種類・原因・被害については、以下の記事で一つひとつ詳しく解説しています。SDGsという枠組みを理解したうえで改めて読むと、それぞれの問題がどの目標に対応しているのかが見えてきて、理解がぐっと深まるはずです。

第5章 日本の現状——SDGs達成に向けた環境への取り組み

日本でも、SDGsの達成に向けてさまざまな取り組みが進められています。ここでは、国際的な評価から制度改正、再生可能エネルギーの導入、企業による食品ロス削減まで、日本の環境分野における現在の動きを見ていきましょう。

5-1 SDGs達成度ランキング2026に見る日本の立ち位置

2026年6月に公表された「Sustainable Development Report 2026」によると、日本の総合スコアは81.02で、169カ国中20位でした(※1)。1位はフィンランド、2位はスウェーデン、3位はデンマークで、上位には北欧・欧州の国々が並んでいます。日本はG7の中ではドイツ、フランス、イギリスに次ぐ4番目でした。

一方、日本では、気候変動(目標13)、海の豊かさ(目標14)、陸の豊かさ(目標15)など、環境に関わる分野に課題が残されています。特に目標14・15は、2026年版の報告書でも世界全体で進捗が遅れている目標として挙げられています。日本でも、こうした環境分野の取り組みをさらに進めていくことが求められています。

※出典1:SDSN『Sustainable Development Report 2026』

5-2 制度改正——洋上風力の海域利用ルールが拡大

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、政府は洋上風力発電を再生可能エネルギーの主力電源化に向けた「切り札」と位置づけています。2025年に成立した改正法により、これまで領海・内水に限られていた洋上風力発電の案件形成の対象が、日本の排他的経済水域(EEZ)にも拡大されました(※2)。

EEZまで対象が広がることで、これまで利用できなかった広い海域で洋上風力発電の導入を検討できるようになります。あわせて法律の名称も「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に関する法律」に改められ、2026年4月1日に施行されています。制度面からも、洋上風力の導入拡大に向けた環境整備が進められています。

※出典2:環境省「『海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案』の閣議決定について」

5-3 プロジェクト——五島洋上ウィンドファームの稼働

制度整備と並行して、実際の洋上風力発電プロジェクトも動いています。2026年1月には、長崎県五島市沖で国内初となる「浮体式洋上ウィンドファーム」が運転を開始しました(※3)。

このプロジェクトでは、戸田建設が20年近くかけて開発してきたスパー型の浮体構造を採用しています。浮体式洋上風力は、海底に基礎を固定するのではなく、海上に浮かべた設備を係留する方式です。そのため、比較的水深の深い海域にも導入できる可能性があり、日本のように海岸から近い場所でも水深が深くなる地域での洋上風力導入において重要な技術とされています。

また、部材の多くを国内・地元で調達できる点も特徴です。再生可能エネルギーの導入だけでなく、地域の産業や雇用への波及効果も期待されるプロジェクトとなっています。

※出典3:資源エネルギー庁「次世代型再エネの切り札、浮体式洋上風力発電の現在地(前編)」

5-4 産業基盤づくり——海外メーカーとの国内製造拠点誘致

洋上風力発電を長期的に拡大するためには、発電設備を設置するだけでなく、タービンなどの関連設備を国内で安定して供給できるサプライチェーンの構築も重要です。経済産業省は2025年6月にシーメンスガメサと官民協力枠組みを立ち上げ、2026年3月にはベスタスと国内での発電設備製造拠点の設立に向けた協力覚書を締結しました。ベスタスは、2029年度までのナセル最終組立拠点、2039年度までのナセル完全生産拠点の設立に向けたロードマップを策定しています(※4)。

海外メーカーとの連携によって、世界で培われた洋上風力関連の技術や製造ノウハウを国内の産業基盤づくりにつなげることも期待されています。政府は2040年までに国内調達比率60%という目標を掲げており、洋上風力発電の導入拡大とともに、国内企業の参入や関連産業の育成を進める方針です。

※出典4:日本貿易振興機構(ジェトロ)「日本の洋上風力産業(前編)国際連携で進める国内SC構築」

5-5 企業の取り組み——食品ロス削減に見る目標12の実践

大規模な再生可能エネルギー事業だけでなく、身近な企業による取り組みもSDGsの実践例です。目標12「つくる責任つかう責任」に関わる取り組みの一つが、食品ロスの削減です。

セブン‐イレブン・ジャパンは2024年5月から、販売期限が近いおにぎりや弁当などのフレッシュフードを値引き販売する「エコだ値」を全国の店舗で展開しています(※5)。販売期限が近い商品を値引きすることで、まだ食べられる食品が廃棄されることを減らし、食品ロスの削減につなげる取り組みです。

この取り組みは2024年10月、消費者庁と環境省が連携して実施する「食品ロス削減推進表彰」の消費者庁長官賞を受賞しました。企業が販売方法を工夫することで、消費者の選択を通じて食品ロス削減に参加できる仕組みをつくっている点も特徴です。

※出典5:セブン‐イレブン・ジャパン「セブン‐イレブンの『エコだ値』の取り組みが令和6年度食品ロス削減推進表彰『消費者庁長官賞』を受賞」

第6章 私たちにできること——個人・企業の実践アクション

国や企業による大きな取り組みに対して、「自分には関係ない」と感じる人もいるかもしれません。しかし、SDGsの環境目標は、私たち一人ひとりの暮らしや企業の日々の活動とも深く関わっています。身近な選択を少しずつ見直すことも、環境への負荷を減らし、SDGsの達成に向けた行動の一つです。

6-1 個人でできること

■目標6(安全な水とトイレを世界中に)
水を出しっぱなしにしない、節水型のシャワーヘッドやトイレを選ぶなど、日常生活の中で水の使用量を見直すことができます。水を大切に使うことは、限りある水資源を守り、持続可能な利用につながります。

■目標11(住み続けられるまちづくりを)
徒歩や自転車、公共交通機関を利用する、地域の緑地や公園を大切にするなど、暮らしの中から持続可能なまちづくりに関わることができます。地域の環境や防災について関心を持つことも、その一歩です。

■目標12(つくる責任・つかう責任)
食品ロスを減らすために必要な分だけ購入する、詰め替え製品を選ぶ、販売期限が近く値引きされた商品を積極的に選ぶなど、買い物や食生活の中でも取り組めます。まだ食べられる食品を廃棄しないことや、使い捨て製品の使用を減らすことは、資源の有効利用にもつながります。

■目標7(エネルギーをみんなに、そしてクリーンに)
家庭で使用する電力を再生可能エネルギー由来のプランに切り替えるほか、省エネ性能の高い家電を選ぶ、照明や冷暖房の使い方を見直すといった方法があります。日々の電力消費を減らすことは、エネルギー資源の有効利用や温室効果ガスの排出削減にもつながります。

■目標13(気候変動に具体的な対策を)
近距離の移動では自転車や徒歩を利用する、公共交通機関を選ぶなど、移動手段を見直すことができます。また、マイボトルやマイバッグを持参することも、使い捨て製品の使用を減らす行動の一つです。無理なく続けられる方法を選ぶことが、継続的な取り組みにつながります。

■目標14・15(海・陸の豊かさを守ろう)
プラスチックごみを減らすことや、分別を徹底することは、海や陸の環境を守ることにつながります。また、地元産や旬の食材を選ぶことも、地域の農林水産業を支え、食料の輸送などに伴う環境負荷を考えるきっかけになります。日々の買い物や食事の選択から、環境との関わり方を見直すことができます。

6-2 企業でできること

企業の場合は、自社の事業と関連の深いSDGsの目標をまず一つ選び、具体的な取り組みに落とし込むことが重要です。たとえば、食品を扱う企業なら食品ロス削減、製造業なら資源の有効利用や省エネルギー、サービス業なら廃棄物削減や再生可能エネルギーの導入など、事業内容に応じて取り組み方は異なります。

最初から多くの目標に取り組もうとするのではなく、自社が環境に与えている影響を確認し、実行しやすい取り組みから始める方法もあります。取り組みの結果を定期的に確認し、必要に応じて改善していくことで、一時的な活動ではなく継続的な取り組みにつなげることができます。

SDGsは、国や自治体、企業だけが取り組むものではありません。毎日の買い物や移動、エネルギーの使い方を見直すことも、環境を守るための一歩です。できることから無理なく始め、継続していくことが、SDGsの達成に向けた行動につながります。

第7章 よくある質問(FAQ)

Q1. なぜSDGsでは環境問題が重要視されているのですか?

A. SDGsは17の目標から成り立っており、環境問題をはじめ、貧困や教育、健康、ジェンダーなど幅広い課題を扱っています。なかでも、気候変動や資源の消費、生態系の劣化などの環境問題は、暮らしや経済、社会の持続可能性にも関わるため、SDGs全体と深くつながっています。 そのため、環境を守りながら経済や社会の発展を目指すことが、SDGsの達成に向けて重要な課題となっています。

Q2. SDGsのうち、環境問題に直接関係する目標はいくつありますか?

A. 見方にもよりますが、本記事では特に環境との関連が深い目標として、6・7・11・12・13・14・15の7つを紹介しました。これらは、水やエネルギー、持続可能なまちづくり、資源の利用、気候変動、海洋・陸上の生態系など、さまざまな環境課題に関係しています。

Q3. 日本はSDGsの環境分野で世界的にどのような評価を受けていますか?

A. 2026年版のSDGs達成度ランキングでは、日本は169カ国中20位と、総合的には比較的高い順位でした。一方、 環境に関わる分野では、気候変動や海洋、陸上生態系などに課題が残されています。

Q4. 個人でSDGsの環境目標に貢献するには何から始めればいいですか?

A. 食品ロスを減らす、マイバッグやマイボトルを持参する、省エネを意識する、公共交通機関や自転車を利用するなど、日常生活の中でできることから始められます。まずは、自分の行動がSDGsのどの目標につながっているのかを意識することも、取り組みの第一歩です。

第8章 まとめ

SDGsは17の目標から成り立っていますが、そのうち6・7・11・12・13・14・15は、環境問題と特に深く関わっています。気候変動や生物多様性の損失、資源の大量消費などは、環境をめぐる世界共通の課題です。日本でも、洋上風力発電の導入に向けた制度整備やプロジェクトの進展、食品ロスの削減など、さまざまな取り組みが進められています。

SDGsを環境問題と結びつけて考えることで、世界規模の課題を自分の暮らしや仕事とも関係のある身近な問題として捉えることができます。食品ロスを減らす、省エネを心がける、使い捨て製品を減らすなど、自分にできることから行動し、環境と社会の持続可能性について考えていくことが、SDGsの達成に向けた一歩となるのです。

執筆 
グリーンアライアンス事務局

LEARNは、ハンファジャパン株式会社が主宰するSDGsパートナーシップ制度「Green Alliance」の学習コンテンツです。記事は再生可能エネルギー事業に携わる社員が、公的機関の統計や一次情報をもとに執筆しています。

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