
再生可能エネルギーを通じて持続可能な社会の実現を目指すグリーンアライアンスは、国内外で環境保全や地域発展に寄与するさまざまな活動を展開しています。
全国各地に太陽光発電システムを寄贈する「グリーンギフト」プロジェクトもそのひとつ。今回、千葉県我孫子市の社会福祉法人アコモード「アンジェリカ保育園」に太陽光発電システム(9.84kW)が設置され、2025年10月29日には同園で寄贈式が行われました。このシステムにより、年間約4.2tのCO2削減効果が期待できます。

自然エネルギーの“体験学習”拠点、災害時の地域避難所としても
2007年に設立されたアンジェリカ保育園には、0歳~5歳までのおよそ100名の園児が通います。「グリーンギフト」の幼児教育施設への寄贈は、2024年に設置された福岡県志免町の志免西学童保育所に続き2か所目となります 。
幼児教育施設への太陽光発電システム導入の目的およびメリットについて、グリーンアライアンス事務局 企画推進統括 山口寛法氏は、このように語ります。

「太陽光発電を日々の生活の中で身近に感じていただき、再生可能エネルギーの大切さや、地球環境と共に生きる意識を育んでいただければ幸いです。また、再生可能エネルギーの普及促進やCO₂排出削減に加え、園児のみなさんが身近に太陽光発電に触れながら、エネルギーの大切さや環境保全について学ぶ“体験型環境教育”を実現することを目指しています。
さらに、地域全体の環境意識の向上や、防災力の強化といった効果も期待され、停電時や災害時においても、子どもたちやスタッフの避難先として、保護者や地域社会の安心要素にもつながります」
我孫子市の取り組みと、未来の災害を減らす“予防的環境教育”
寄贈式には、我孫子市長 星野順一郎氏も出席。ゼロカーボンシティ宣言を表明している我孫子市は、地球温暖化の影響によって近年増加している気象災害への対策や、再生可能エネルギーの導入促進に特に力を入れています。星野市長は、グリーンアライアンスへの感謝の言葉と共に、次のように語りました。
「近年の気候変動の影響は大きく、線状降水帯などによる被害も放置できない状況です。しかしながら、土木工事や水害対策工事には多大な費用と長い工期が必要です。だからこそ、子どものうちから気候変動をはじめ、地球環境、SDGsについて学ぶ機会をつくっていくことが大切だと感じています。
現在、我孫子市内では11の公共施設で再生可能エネルギーの導入を進めています。市制55周年を迎えましたが、老朽化した建造物も多く、優先順位をつけながら、市民の安全と子どもたちの命を守るために修繕や工事を一つずつ進めているところです」

環境への想いでつながる、人と企業の連携
アンジェリカ保育園は、子どもの主体性を尊重する保育方針を掲げ、福祉活動や環境活動にも積極的に取り組む社会福祉法人アコモードによって運営されています。同法人では、すべての福祉施設に太陽光発電システムを導入しており、環境への配慮も実践しています。今回の寄贈を受け、海老原勤理事は、
「既存の建物に設置するのは初めての試みで、施工には工夫が必要でしたが、環境意識の高い方々とのつながりによって、とてもスムーズに実現することができ、大変感謝しております」と謝意を伝えました。
また、アンジェリカ保育園 園長の松尾康弘氏も、
「自然とのふれあいを大切にする当園では、木を使った家具や積み木を採用し、園庭でも泥などの自然素材を自由に使って遊べる環境づくりを心がけています。最も電気を使用する夏場でも、クリーンなエネルギーを活用しながら、子どもたちが安全に遊び、学べる場のモデルケースとして発信していきたいと考えています。絵本も家庭に持ち帰り、親子で一緒に自然や太陽光エネルギーに親しむきっかけになっていただけると思います」と語りました。

このアンジェリカ保育園へのグリーンギフトは、グリーンアライアンス パートナー企業の株式会社レクソルによって推薦され、計画が進められてきました。同社の代表取締役 西河常仁氏は次のようにコメントしています。

「我孫子市はもともとゼロカーボンシティ宣言を行っており、市全体の環境意識が高い。福祉活動を通じて知り合った『あびこ自然エネルギー』の青木弘理事の推薦もあり、今回の寄贈につながりました。これにより、子どもたちが再生可能エネルギーを知る機会を得て、これからの環境について少しでも関心を高めてくれたら、と期待しています」

再生可能エネルギーも、子どもたちも、どちらも未来を明るく照らす存在といえます。地域の教育機関、企業、そして行政が一体となって「エネルギーを学び、使い、考える文化」を育み守っていくために、グリーンアライアンスの今後の活動に、さらなる期待が寄せられています。
オリジナル教材として、再生紙を利用した絵本をプレゼント
今回は、屋根に設置された太陽光パネルだけでなく、子どもたちにも“手の届くギフト”として、オリジナル絵本『でんきちゃんのだいぼうけん by Green Alliance』が贈られました。

この絵本は紙芝居形式の教材をベースにしており、太陽光発電によって生まれた電気が蓄電池にたまり、日々の生活の中で活用されるまでの流れを、幼児向けに紹介。夜間や停電時に発電ができず、困った“でんきちゃん”を、蓄電池の“きゅーれでぃーさん”が助ける場面では、2つの設備の役割や関係性がわかりやすく描かれています。
また、絵本には青森のねぶた祭で使用された廃棄和紙を一部再利用したエコ素材が採用されており、循環型社会の大切さを子どもたちに伝える工夫も施されています。


絵本という形にすることで、太陽と電気を直感的に結びつけやすく、まるで昔話から人生の教訓を学ぶように、楽しみながら環境との関わりを育むことができます。
さらに、日々電気を使って暮らしていることへの意識付けも、主体的な行動の第一歩。冷蔵庫や洗濯機、テレビ、エアコンといったよく目にする家電と並び、太陽光パネルや蓄電池も“家族や地域を支える存在”として、子どもたちが身近に感じられることを期待しています。
Photo:太陽光生活研究所、株式会社アスクラスト(月刊スマートハウス)