2026.10.30 エネルギー

風力発電とは?夜も発電できるのに、日本の電気の1.2%どまりなのはなぜ?

海沿いや山の上で、白く大きな風車が回っているのを見たことはありますか。風力発電は、風の力で電気を作る再生可能エネルギーの一つで、風さえ吹けば夜でも発電できます。それなのに、日本の電気のうち風力でまかなわれているのは、約1.2%(2024年度)にとどまっています。この記事では、風力発電の仕組みとメリット・デメリットを整理したうえで、日本で広がりにくい理由を国のデータをもとに解説します。

【この記事でわかること】

  • ・風力発電の仕組み(風車が電気を作る流れ)
  • ・風力発電のメリットとデメリット
  • ・風力発電と太陽光発電の違い
  • ・日本の風力発電の現状と、国の見通し
  • ・風力発電が日本で広がりにくい5つの理由

第1章 風力発電とは?

風力発電とは、風の力で風車を回し、その回転を電気に変える発電方法です。 燃料を燃やさないため、太陽光や水力と同じ「再生可能エネルギー」に数えられます。まずは基本の考え方と、風車を建てる場所による種類を見ていきましょう。

1-1 風の力で風車を回し、電気を作る発電方法

風力発電は、風が持つ「動く力」を電気に変える仕組みです。風車の羽根が風を受けて回り、その回転で発電機を動かします。
使う「燃料」は風そのものなので、使ってもなくなることはありません。そのため、石炭や天然ガスのように、いつか掘り尽くしてしまう心配がない発電方法です。

1-2 陸上風力と洋上風力の違い(洋上は着床式と浮体式)

風力発電は、風車を建てる場所によって「陸上風力」と「洋上風力」に分かれます。海の上は、陸上よりも一般に風の条件がよいとされています(※1)。
洋上風力は、風車の支え方によって、さらに次の2つに分かれます。
・着床式
風車を支える土台を、海底に固定する方式です。遠浅の海に向いています。
・浮体式
海に浮かべた土台に風車を載せ、チェーンなどで海底のアンカーにつなぎとめる方式です(※2)。水深の深い海にも建てられます。
太陽光・水力・地熱など、ほかの再生可能エネルギーとの違いは、以下の記事で比較しています。

※出典1:NEDO「再生可能エネルギー技術白書 3 風力発電の技術の現状とロードマップ」
※出典2:資源エネルギー庁「次世代型再エネの切り札、浮体式洋上風力発電の現在地(前編)」(2026年7月10日)

第2章 風力発電はどうやって電気を作る?

風力発電は、「風で羽根が回る→回転を発電機に伝える→電気になる」という流れで電気を作ります。風車の中では、風の向きや強さに合わせた調整も行われています。 3つのステップに分けて見ていきましょう。

風力発電が電気を作る仕組み

※出典:NEDO「再生可能エネルギー技術白書」をもとに当社作成

2-1 風を受けて、ブレード(羽根)が回る

風車の羽根は「ブレード」と呼ばれます。風を受けたブレードが回ると、つながっている軸も一緒に回転します。現在の風車は、3枚のブレードを持つ形が主流です。風車の向きを変えるときに揺れが起きにくく、安定して回るためです(※)。

2-2 増速機で回転を速め、発電機で電気に変える

ブレードの付け根の後ろには、「ナセル」と呼ばれる箱があります。ナセルの中には、回転を伝える軸や発電機が収められています。ブレードの回転は発電機を回すにはゆっくりなので、多くの風車では「増速機」という歯車の装置で回転を速めてから、発電機に伝えます(※)。

2-3 送電線を通って、家庭や工場へ届く

発電機で作った電気は、変圧器で電圧を変えてから送電線に送られ、家庭や工場に届きます。
なお、風車はいつも同じ向きで回っているわけではありません。風の向きが変わるとナセルごと向きを変え、正面から風を受けます。また、ブレードの角度を変えて受ける風の量を調整し、発電する量を制御しています(※)。
台風のように風が強すぎるときの動きは、第8章で紹介します。
ほかの発電方法の仕組みと比べたい方は、以下の記事も参考にしてください。

※出典:NEDO「再生可能エネルギー技術白書 3 風力発電の技術の現状とロードマップ」

第3章 風力発電のメリット

風力発電の大きなメリットは、CO₂を出さずに、国内に吹く風という資源で電気を作れることです。 そのうえ、夜でも発電でき、地域の産業にもつながります。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。

3-1 発電するときにCO2を出さない

風力発電は、燃料を燃やさずに電気を作ります。そのため、発電するときに温室効果ガスや大気汚染物質を出しません(※1)。石炭や天然ガスを燃やす火力発電の一部を風力に置き換えれば、その分だけ、発電にともなうCO₂を減らせます。

3-2 風があれば、夜間も発電できる

太陽光発電は、日が沈むと発電できません。一方、風力発電は風さえ吹いていれば、昼でも夜でも電気を作れます。そのため、昼に発電する太陽光と組み合わせると、発電する時間帯をずらして補い合えます。

3-3 燃料を輸入しなくてよく、エネルギー自給率を高められる

日本は、発電に使う石油・石炭・天然ガスの多くを海外からの輸入に頼っています。一方、風力発電の「燃料」は国内に吹く風なので、輸入しなくても電気を作れます。環境省も、風力は国内で生産できるエネルギーのため、エネルギー安全保障に役立つとしています(※1)。
なお、日本のエネルギー自給率が低い理由と対策は、以下の記事で解説しています。

3-4 部品が多く、地域に仕事が生まれる

風車の部品は数万点にのぼり、事業の規模も大きくなります。そのため、関連する産業への経済効果や、地域の活性化が期待されています(※2)。実際、長崎県五島市沖の洋上風車(第7章で紹介)では、風車の製造に地元の建設会社が加わりました(※3)。

※出典1:資源エネルギー庁「『CO2排出量』を考える上でおさえておきたい2つの視点」
※出典2:資源エネルギー庁「2025年、日本の洋上風力発電~今どうなってる?これからどうなる?~」(2025年3月28日)
※出典3:資源エネルギー庁「いよいよ発電開始!浮体式洋上風力発電が描く未来(後編)」(2026年7月29日)

第4章 風力発電のデメリット

一方で、風力発電には「発電量が風まかせになる」という弱点があります。 さらに、風車の音や景観、鳥への影響など、周りの環境への配慮も欠かせません。

4-1 風まかせで、発電量が大きく変わる(風が半分になると、取り出せるエネルギーは8分の1)

風力発電で取り出せるエネルギーは、風速の3乗に比例して大きくなります。つまり、風速が2倍になればエネルギーは8倍になりますが、半分になれば8分の1になります。少し風が弱まるだけで、発電量は大きく落ちてしまうのです。
だからこそ、風力発電では、強い風が安定して吹く場所を選ぶことが欠かせません。事業として成り立たせるには、年間の平均風速が7m/s以上の場所が目安とされています(※1)。

4-2 風車の音や、景観への影響がある

風車の音について心配されることは、大きく分けて次の2つです 。
① 耳に聞こえる音(スウィッシュ音など)がわずらわしい
風車からは、ブレードが回るときに「シュッ、シュッ」と強弱をくり返す音(スウィッシュ音)が出ます。風車は静かな地域に建つことが多く、音が小さくても聞こえやすい場合があります。静かな場所では、こうした音がわずらわしさや、睡眠への影響につながる可能性も指摘されています。
そこで環境省は2017年に指針をまとめ、風車の音の目安を「もともとの周りの音に5dBを加えた値」としました(※2)。
② ふつうは聞こえない低い音(超低周波音)が、体に影響しないか
20Hz以下のとても低い音(超低周波音)は、ふつう人の耳には聞こえません。ただ、とても大きくなると、圧迫感などとして体で感じられることがあります(※3)。
実際に環境省の検討会が全国の風力発電所の周りで音を測ったところ、超低周波音は、圧迫感なども感じないほど小さいものでした。また、ほかの場所のふだんの音と比べても、低い音が特に強いわけではありませんでした。こうした測定結果や国内外の研究をふまえ、環境省は、風車の音が健康に直接影響する可能性は低いとしています。
また、大きな風車は遠くからも目に入ります。そのため景観も、環境への影響を調べる手続き(第6章で紹介)の中で調べられている項目の一つです(※4)。

4-3 鳥が風車にぶつかる「バードストライク」が起きる

鳥が回っているブレードにぶつかる事故を「バードストライク」と呼びます。たとえばオジロワシとオオワシ(海ワシ類)では、2003〜2021年度の19年間で73件が確認されています(※5)。ぶつかった鳥は、亡くなることもあれば、けがをして保護されることもあります。
環境省の手引きでは、バードストライクは風車の大きさよりも、建てる場所に左右されると指摘されています。鳥が多く飛ぶ場所を避けて風車を建てることが、対策の基本になります。

※出典1:NEDO「再生可能エネルギー技術白書 3 風力発電の技術の現状とロードマップ」
※出典2:環境省「風力発電施設から発生する騒音に関する指針について」(2017年5月26日)
※出典3:環境省「低周波音問題に関するQ&A」
※出典4:環境省「環境影響評価制度の現状等について」(2024年11月1日)
※出典5:環境省「海ワシ類の風力発電施設バードストライク防止策の検討・実施手引き(改定版)」(2022年8月)

第5章 風力発電と太陽光発電の違い(発電する時間帯・設備利用率・向いている場所)

風力と太陽光は、どちらも天気に左右される再生可能エネルギーです。ただし、発電する時間帯と、設備が実際に発電している割合には、はっきりした違いがあります。
設備が実際に発電している割合は「設備利用率」と呼ばれます。1年間ずっと最大の出力で発電したと仮定した量に対して、実際に発電した量の割合です。
国の発電コストの試算に使われた値では、陸上風力の設備利用率は29.6%、住宅用の太陽光は15.8%でした(※1)。同じ出力の設備なら、陸上風力は住宅用の太陽光の約1.9倍の電気を生む計算です。違いを表にまとめると、次のようになります(※1、2)。

比べる点 陸上風力発電 太陽光発電
いつ発電するか 風が吹いていれば昼も夜も 日が出ている昼間だけ
設備が実際に発電している割合(設備利用率) 29.60% 住宅用15.8%・事業用18.3%
向いている場所 年間の平均風速が7m/s以上の、風の強い場所 日当たりのよい屋根や土地

ただし、新しく建てるときの発電コストは、太陽光のほうが安いと試算されています(第6章で紹介)。
このように、風力と太陽光は、どちらが優れているというより、得意な条件が違う発電方法です。発電できる時間帯も、向いている場所も違うため、両方を組み合わせることで、再生可能エネルギーで電気をまかなえる場面を広げられます。
太陽光発電のメリット・デメリットを家計の目線で知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

※出典1:経済産業省 発電コスト検証ワーキンググループ「各電源の諸元一覧」(2025年2月6日)
※出典2:NEDO「再生可能エネルギー技術白書 3 風力発電の技術の現状とロードマップ」

第6章 風力発電はなぜ日本で広がりにくい?1.2%どまりな理由

国の統計によると、2024年度の風力の発電量は116.7億kWhで、日本全体の発電量の約1.2%にとどまっています(※1)。世界の風力発電の設備は2025年末に1,291GW(12億9,100万kW)に達しましたが、日本の643.4万kWは、その約0.5%です(※2、3)。
では、日本ではなぜ風力発電がこれほど少ないのでしょうか。結論から言うと、建てられる場所が限られているうえ、手続きとコストのハードルも高いことが主な理由です。

6-1 山が多く、陸上に風力発電に向いた土地が少ないから

日本の国土は山がちで、陸上で風力発電に向いた土地は多くありません(※4)。また、山の上は大型の風車を運び込んで建てるのが難しい場所でもあります(※5)。そのうえ、陸上の向いた土地はすでに減りつつあります(※6)。そこで期待されているのが、海の上に建てる洋上風力です。

6-2 遠浅の海が少なく、海底に固定する洋上風車を建てられる場所が限られるから

ところが、日本の周りには水深60m以下の遠浅の海が少なく、一気に数百mの深さになる場所もあります(※6)。そのため、欧州などで広がっている着床式を建てられる海は限られます。深い海でも建てられる浮体式は、2026年に初めてウィンドファームが動き出したばかりです。

6-3 風力発電が多い北海道・東北と、電気を多く使う都市が離れているから

風車が多く建っているのは、風の強い北海道と東北です。2025年末の都道府県別の導入量は、1位北海道、2位青森県、3位秋田県、4位福島県、5位岩手県でした(※3)。
一方、電気を多く使うのは首都圏などの都市です。電気は、作る量と使う量を常に一致させる必要があります(※7)。そのため、北海道や東北で作った電気をその地域で使いきれないときは、ほかの地域へ送らなければ、電気が余ってしまいます。
ほかの地域へ電気を送るのは、地域どうしを結ぶ送電線(連系線)です。この送電線で送れる量が足りないと、発電できるはずの風車を止めて、発電量を抑えること(出力制御)になります(※8)。そこで国は、風力などの再エネに向いた地域と、電気を使う地域を結ぶ送電網を、全国で強くしていく方針です(※9)。
たとえば、北海道と本州を結ぶ送電線(連系線)は、2027年度中に90万kWから120万kWへ増強される予定です。さらに、北海道と本州の間の海底に送電線を通す計画も進められています(2025年1月時点)(※9)。

6-4 環境への影響を調べる手続きや、地域・漁業との話し合いに時間がかかるから

大きな風力発電所を建てる前には、環境への影響を調べる「環境影響評価(環境アセスメント)」を行います。環境影響評価法では、出力5万kW以上の計画が第一種事業、3万7,500kW以上5万kW未満の計画が第二種事業に区分されます。第二種事業は、環境影響評価が必要かどうかの判定を受けます(※10)。
これまでに国の環境アセスメントを行った865事業のうち、555事業が風力発電でした(2024年9月末時点)。そして、環境大臣が計画の見直しなどを求めた割合は、陸上風力が22.6%で最も高くなっています(※5)。
また洋上風力では、国・自治体・漁業者などが集まる協議会で話し合い、地域の合意をつくる必要があります(※4)。洋上風力と漁業の関わりは、以下の記事で詳しく紹介しています。

6-5 発電コストが太陽光より高いから

国の試算では、2023年に新しく建てた場合の発電コストは、陸上風力が1kWhあたり16.3円でした。一方、事業用の太陽光は10.9円で、陸上風力はその約1.5倍です(※11)。
ただし、先に導入が進んだ欧州では、洋上風力の落札額が1kWhあたり10円を切る例も出ています(※4)。そのため日本でも、国内で部品を作る体制づくりなどを進め、コストを下げることが課題になっています(※7)。

※出典1:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計 令和6年度(2024年度)エネルギー需給実績(確報)時系列表」(2026年4月14日)
※出典2:IRENA「Renewable Capacity Highlights 2026」(2026年3月)
※出典3:日本風力発電協会「Cumulative installed capacity of Wind Power in Japan : 6,434.2MW (2,866 units)」(2026年2月18日、速報値)
※出典4:資源エネルギー庁「2025年、日本の洋上風力発電~今どうなってる?これからどうなる?~」(2025年3月28日)
※出典5:環境省「環境影響評価制度の現状等について」(2024年11月1日)
※出典6:資源エネルギー庁「次世代型再エネの切り札、浮体式洋上風力発電の現在地(前編)」(2026年7月10日)
※出典7:資源エネルギー庁「『エネルギー基本計画』をもっと読み解く③:大幅な拡大をめざす再生可能エネルギー」(2025年11月11日)
※出典8:資源エネルギー庁「なぜ、太陽光などの『出力制御』が必要になるのか?~再エネを大量に導入するために」(2018年3月27日)
※出典9:資源エネルギー庁「電力ネットワークの次世代化について」(2025年1月27日)
※出典10:環境省「『環境影響評価法施行令の一部を改正する政令』の閣議決定及び意見募集の結果について」(2021年10月)
※出典11:経済産業省 発電コスト検証ワーキンググループ「発電コスト検証に関するとりまとめ」(2025年2月6日)

第7章 これからの日本の風力発電(国の見通しと浮体式洋上風力)

ここまで見てきたように、日本の風力発電には、建てる場所・送電網・手続き・コストといった課題があります。
一方で、風力の発電量そのものは着実に増えています。2010年度の40.2億kWhと比べると、2024年度の116.7億kWhは約2.9倍です(※1)。

日本の風力発電量の推移

※出典:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」 をもとに当社作成

国は、この風力発電を、これからさらに大きく増やす見通しを示しています。陸上ではすでにある計画を動かし、洋上では風車を建てられる海を広げることで、導入を進めようとしています(※2)。

7-1 国は2040年度に4〜8%程度まで増やす見通し

国は2025年2月に、エネルギー政策の方針を定めた「第7次エネルギー基本計画」を決めました。その中で、発電量に占める風力の割合を、2023年度の1.1%から、2040年度には4〜8%程度へ広げる見通しを示しています(※2)。割合でいうと、約3.6〜7.3倍に増やす計算です。
この見通しに向けて、国は陸上と洋上で、それぞれ次のことに取り組むとしています。
① 陸上:まだ動いていない計画を、運転開始につなげる
陸上では、国から事業として認められたのに、まだ運転を始めていない風力発電の計画があります。こうした計画が、実際に運転を始められるようにすることが課題とされています(※2)。
② 洋上:風車を建てられる海を広げる
洋上では、風車を建てられる海を、領海の外側にある「排他的経済水域(EEZ)」まで広げることを目指しています(※2)。2026年4月には、EEZに洋上風車を建てるための許可の制度をつくる法改正も施行されました(※3)。

7-2 長崎県五島市沖で、国内初の浮体式ウィンドファームが運転開始

建てられる海を広げるうえで期待されているのが、深い海にも建てられる浮体式の洋上風力です(※4)。2026年1月5日には、長崎県五島市沖で、国内初の浮体式の洋上ウィンドファームが営業運転を始めました。ウィンドファームとは、複数の風車を並べた発電所のことです。
海に浮かぶ8基の風車は、合計1万6,800kWの出力を持ちます。発電した電気は、地元の小売電気事業者を通じて、五島市内の家庭や企業に届けられています。

※出典1:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計 令和6年度(2024年度)エネルギー需給実績(確報)時系列表」(2026年4月14日)
※出典2:資源エネルギー庁「『エネルギー基本計画』をもっと読み解く③:大幅な拡大をめざす再生可能エネルギー」(2025年11月11日)
※出典3:資源エネルギー庁「いよいよ発電開始!浮体式洋上風力発電が描く未来(後編)」(2026年7月29日)
※出典4:資源エネルギー庁「次世代型再エネの切り札、浮体式洋上風力発電の現在地(前編)」(2026年7月10日)

第8章 よくある質問(FAQ)

8-1 Q1. 風車1基で、何世帯分の電気をまかなえる?

A. 風車の大きさや、建てた場所の風の条件によって変わります。たとえば五島市沖の浮体式の風車は1基2,100kWで、8基で一般家庭およそ1万4,400世帯分の年間消費量にあたります(※1)。1基あたりに直すと、約1,800世帯分です。

8-2 Q2. 台風のように風が強すぎるときは、どうなる?

A. 台風のときや点検のときは、ブレーキでブレードの回転を止めます(※2)。実際、五島市沖の実証機「はえんかぜ」は、2013年から何度も大型台風の直撃を受けています。それでも、大きなトラブルはありませんでした(※3)。

8-3 Q3. 風力発電の設備は何年くらい使える?

A. 国の発電コストの試算では、陸上風力・洋上風力とも、20年または25年使う前提で計算されています(※4)。また、五島市沖のウィンドファームを手がける事業者も、今後20年近く運転するとしています。

※出典1:資源エネルギー庁「いよいよ発電開始!浮体式洋上風力発電が描く未来(後編)」(2026年7月29日)
※出典2:NEDO「再生可能エネルギー技術白書 3 風力発電の技術の現状とロードマップ」
※出典3:資源エネルギー庁「次世代型再エネの切り札、浮体式洋上風力発電の現在地(前編)」(2026年7月10日)
※出典4:経済産業省 発電コスト検証ワーキンググループ「各電源の諸元一覧」(2025年2月6日)

第9章 まとめ

風力発電は、風の力で風車を回して電気を作る再生可能エネルギーです。CO₂を出さず、夜も発電でき、国内に吹く風でまかなえる点がメリットです。一方で、発電量が風まかせになることや、音・景観・鳥への影響には配慮が必要です。
日本では、風力は発電量の約1.2%にとどまっています(2024年度)。地形の条件に加え、送電網・手続き・コストの課題があるためです。それでも国は、2040年度に4〜8%程度へ増やす見通しです。浮体式の洋上風力や送電網の整備で、地形の壁を越えられるかが、これからのカギになります。
まずは、契約している電力会社のサイトで、届いている電気の「電源構成」を確かめてみてください。そのうち風力が何%かを知ることが、エネルギーを自分ごととして考える第一歩になります。

執筆 
グリーンアライアンス事務局

LEARNは、ハンファジャパン株式会社が主宰するSDGsパートナーシップ制度「Green Alliance」の学習コンテンツです。記事は再生可能エネルギー事業に携わる社員が、公的機関の統計や一次情報をもとに執筆しています。

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